焼き物

焼き魚を美味しく焼くコツ

焼き魚が苦手と言う方を多く見かけます。

食べるのが苦手と言う方もいますし、作るのが苦手と言う方もいますし。

子供が食べないから作らないと言う方なんかも多いですね。

焼き魚は家じゃなくてお店で食べるものと思っている方がほとんどだったりします。

でもちょっとしたポイントを抑えるだけで焼き魚って家で簡単に作れるんですよね。

今回は焼き魚を家で美味しく作るコツをまとめます。

焼き魚の種類は大きく3種類

焼き魚は味付けから大きく3種類に分ける事ができます。

  • 塩がベースの塩焼き(塩焼きや干物など)
  • 醤油味ベースの焼き物(柚庵焼き・照焼きなど)
  • 味噌味ベースの焼き物(西京焼きや粕漬けなど)

とまぁ、この3つに分ける事ができます。その他、干物や松笠焼き、うにろう焼き等特殊な焼き物もありますが、ここでは除外します。

上記3つの大きな違いは味の入り方。

塩味の焼き物は塩をしてから10分以内に焼き始める事がほとんど。

醤油ベースの地に漬け込むなら1時間から3時間程度

味噌ベースでしたら半日から1週間といったところでしょうか。

この時間の差は塩分濃度の違いで味の入る時間に差があるためです。

塩>醤油>味噌の順に塩分が強いって事ですね。

この時間の差から、醤油や味噌ベースの焼き物はいわゆる仕込みが必要って事です。

お店で出す商品と家で出す料理の違いは仕込みに時間をかける事ができるかどうかにつきます。

皆さんお忙しいでしょうから、醤油に3時間つけて、地から上げて、冷蔵庫に保存して、家族の帰りを待ってそれから焼いて・・・なんて料理に時間を割くのは難しい事でしょう。

塩焼きならば塩をしてから直ぐに焼き始める事ができるため家庭でも作りやすいってわけですね。

では、家では塩焼きしか食べれないのか?

そんなことはありません。しっかりポイントを抑えれば、家でも美味しく焼き魚が食べれます。

今からその方法をご紹介いたします。

家で本格的な焼き魚を作るには

まず大前提として仕込みの時間は絶対に必要です。

これは避けては通れません。

しかし、

ここからがあまり知られていないんですが、

焼き魚は地につけた後は冷凍できちゃいます

皆さん冷凍すると味が落ちると思いがちですが、一部、気合の入ったお店を除いてほとんどの飲食店では焼き魚は一度は冷凍にかけています。

理屈を説明しますと、そもそも冷凍して味が落ちるのは、魚の細胞の中の水分が膨張して細胞を壊してしまうから。

醤油や味噌の塩分によって魚の水分は細胞の外に逃げるわけですから、冷凍しても魚の細胞が壊れにくいって事ですね。

まとめますと、家で美味しい焼き魚を作るには、一度にある程度の量を仕込んでしまい、冷凍庫に保存。

食べたい時に食べたい分だけ焼いて食べる。

と言うことになります。

いやいや、本格的にやりたいよって方はその都度仕込めばいいですし、めんどくさそうと思ったら冷凍庫にストックを作ればいいですし。

面倒だと思ってしまうと続けるのは難しいですから、やってみたいと思ったら簡単そうな方を選んでください。

それでは味噌漬け、醤油漬けの作り方を順を追って説明いたします。

と、その前に、焼き魚を美味しくするコツをご紹介

焼き魚を美味しくするちょっとしたコツ

魚は腹に近い方を買う

さて、美味しい焼き魚と言うのは魚の脂と大きく関係します。

焼き魚とは魚の脂の旨味を楽しむ料理だからです。

脂の乗った鯖や、のど黒なんかはちょっとくらい焼きすぎたって美味しく食べる事ができます。

例えば大トロを焼いたとします。ホロホロと崩れる身から染み出すジューシーな旨味。

何とも美味しそうですね。

では赤身を焼いたらどうでしょうか?

パサパサで身は硬く引き締まり、酸味が強く美味しくは感じないはずです。

これは人間(特に日本人)が脂を旨味と同様に舌で感じる事が出来ると言う事です。

厳密にはこの他に動物性の脂と旨味成分の含有量など関係してくるのですが、まぁ、魚に火を入れる際は脂の乗った魚の方が美味しいと考えて間違いないでしょう。

さて、話は戻りますが、人間でもそうであるように、魚も腹に脂が乗ります。

もちろん魚種や魚体によって差こそありますが、それは目利きの話でして、基本的に同じ魚の尻尾と頭を比べたら、頭の方に脂が乗るって話です。

先に話た通り、脂の乗った魚の方が焼き魚にした場合美味しく感じる。

よって魚は腹に近い方を買うべきです。

さて、そんなこと言ったって尻尾と腹と見分けがつかないよと言う方の為に写真を用意しますね。

変に凹んでいる方が腹です。通常魚は切り身で売られている事が多いかと思います。

鮮魚売り場で魚を見かけたらちょっと注意して見てみてください。

このように片側がちょろっと伸びていて、形が不規則なところが腹です。

焼き魚にする際はぜひこちらを選んで購入してください。

焼き魚は骨を抜く

さて、焼き魚が苦手と言う方の理由の一つに骨があるから食べにくいと言う事が挙げられます。

これはごもっともでして、私も骨が嫌いです。だってガブリと食べたいじゃないですか。箸でいちいち魚をほぐしてなんてめんどくさい事考えたくありません。

と、言うか食事中は何も考えずにただ食事に集中したいです。

と、言う事で、魚の骨はあらかじめ抜いてしまいましょう。

骨抜きと言う毛抜きを大きくしたような道具が売っていますんで購入してください。良いものなら一本で一生使えますし。

まぁ、焼き魚以外にも刺身や煮物でも魚料理には必須の道具です。

北正 Kanetsune 最上東型ステンレス骨抜き 120mm KB-02

さて、骨抜きを手に入れたら今度は骨を抜きましょう。

骨の刺さっている方向に自然と引っ張れば簡単に抜けます。

骨が抜けると、困った事が一つあります。

魚にもよりますが、大抵の場合、身割れします。

身割れとは写真のように身が半分に割れてしまう事です。しかしこれは仕方のない事です。気にしないで結構です。

このように半分に渡してしまいましょう。どうせ一口じゃ食べれません。盛り付けの時に綺麗に盛りつければ問題ありませんしね。

さてここまできてやっと焼き魚の準備完了です。

正直言いますとここまでやらずに骨つきのまま漬け込む飲食店がほとんどです。手間かかりますしね。

ま、やるかやらないかは貴方が誰にどんな料理を食べてもらいたいと思うかどうかではないでしょうか。

魚は皮目から焼くのか?身から焼くのか?

さて、焼き魚と言うのはオーブンと違い片側からしか火が入りません。

そこで皆さん疑問に抱くのがどちら側から焼くのかって事です。

天火(上から熱が入る)の場合も下火(下から火が入る)の場合もこれは一緒でして、盛り付ける面がひっくり返した際に上になるように火を入れるって事です。

焼き魚の身は非常に崩れやすくなっております。よってなるべくひっくり返す回数を少なくする事がポイントです。

皮目を上にして盛り付けたいのであれば皮目を下にして焼き始める。

頭を左にして盛り付けたいのであれば頭が右に来る面から焼き始めるって事ですね。

これを覚えておくと天火でも下火でもどちらから焼けばいいのか迷わずにすみますね。

焼き魚の漬け込み

醤油ベース

さて、ここまできたらいよいよ漬け込みます。

まずは醤油ベースの焼き魚の基本から説明しましょう。

  • 幽庵焼

醤油ベースの焼き物の基本は幽庵地です。

醤油と酒と味醂を1:1:1の割合で合わせた非常にシンプルな漬け地です。これに柚子などの柑橘を加えれば柚庵地になりますし、砂糖や味醂を多めにすれば照焼きになります。

魚の脂の乗りや、大きさによりつけ時間は異なりますが、まずは1時間を目安に作ってみましょう。

何度も作って自分なりのルールを見つける事が料理の楽しさでもありますし。

皮目に切れ目を入れておくと焼く時に綺麗に仕上がったりします。

漬ける際は上に写真のようにペーパーを載せると、綺麗にムラなく漬ける事ができます。

1時間たったら漬け地から上げて

あとは焼くだけ。

冷凍する場合はこの段階で冷凍しましょう。

ちなみにこの地は3回くらいまでなら使う事ができます。冷蔵庫で1週間くらいは持ちますので、取っておいても良いでしょう。

なお2回目、3回目となると魚の水分で地が薄まっていきますので、漬け時間は長くなると覚えておいてください。

では焼いていきましょう。

焼く際のポイントは味醂と酒の糖分により塩焼きより焦げやすいと言う事。

若干弱火で皮目を下にして焼き始めましょう。

弱火で焼くため下にアルミホイルを敷いておくと全体に熱がこもり火が効率よく入ります。

皮目は下にして焼く

7、8割火が入ったらひっくり返し皮目に色を付けます。

火の入り具合ですが、

ふつふつと内側から脂や魚の水分が浮き出てくる

写真のように、魚の表面に脂や水分が浮き出てきたらひっくり返す合図です。これは焼く事で魚のタンパク質が固まり、内側の水分が押し出されてきた合図です。このサインを見逃さないようにしましょう。

魚をひっくり返して表面に焼き色が着いたら完成です。

酢橘をあしらい、立体的に盛りつければ、まぁなんて美味しそうな焼き魚だこと。

案外簡単です。

味噌ベース

さて味噌ベースの場合も少し書きましょう

基本的な下準備は醤油ベースの場合と変わりませんが、漬け込み方が少し異なります。

今回は鰆の西京焼きについて説明します。

まず漬け地ですが、こちらは幽庵焼のように黄金比のようなルールが存在しません。

味噌も種類によって味も硬さも全く違いますしね。

なのでこればっかりは自分でルールを見つけて下さいとしか言えません。

私は西京味噌を使っておりますが、西京味噌もメーカーによって甘さが違いますから何度も味見をして下さい。

私の場合ですと西京味噌に、味醂2酒1を加え味噌を伸ばしていきます。

写真くらいの濃度になったら魚を漬け込みます。

味噌>ペーパー>魚>ペーパー>味噌、の順に重ねます。

西京焼きの味噌

このようにペーパーに包む事で味噌の味だけを魚に染み込ませる事ができます。

ペーパーを使わずに漬け込む方法もあるのですが、その際は味噌から取り出した際に味噌を洗い流す必要があるため、あまりオススメではありません、

水で洗う際に魚の旨味も抜けてしまいますからね。

一日おいて味噌から取り出し、

あとは焼くだけ。

焼く際のコツは、柚庵焼きよりも焦げやすいと言う事。

しかしあんまり弱火でも魚に火が入りません。そこで、焼く際は

写真のようにアルミで軽く覆ってから焼きましょう。

完全に覆ってしまうと蒸し焼きになってしまうので隙間は必ず開けてください。

皮目を下にして焼き始め、7割ほど火が入ったらひっくり返します。

全体に火が入ったらアルミの蓋を外し、皮目に焼き色をつければ完成です。

ちなみに、焼き色を付けなくても食べることは可能ですが、味噌や醤油の焦げた匂いや色はどーいうわけか食欲をそそるんですよね。

んー、んまい笑