MENU

【皮も絶品】大型サヨリの捌き方・刺身の作り方

閂(かんぬき)と呼ばれる大きなサヨリの刺身と、皮の串焼きの作り方をご紹介します。大きなサヨリを市場などで見かけた際は、ぜひお試しくださいませ。

目次

サヨリとは?

サヨリはそんなに高級魚のイメージはないかもしれませんが、冬場のサヨリで閂(かんぬき)と呼ばれる、しっかりと厚みや大きさがあるサヨリは超高級魚です。豊洲では、キロ単価で7千円~8千円します。サイズが小さいサヨリは、キロ2千円~3千円ぐらいで出回ります。サイズが大きくなった途端に急に値段が上がります。

なぜかというと、サヨリは大きさによって味が全く変わる魚だからです。小さいサヨリは身の食感もさほどなくて高級魚という感じの魚ではありません。しかし閂と呼ばれる大きなサヨリは、身の食感が全然違います。しっかりと弾力があるのに、青魚のような旨味があるという貴重な魚です。これだけしっかり食感があって旨味のある魚はなかなか少ないので、意外と値段通りの美味しさがある魚です。市場で見かけた際は、ぜひ一度食べてみてください。

サヨリのさばき方

ウロコの取り方

サヨリは入荷の時点でウロコが落ちている場合がほとんどです。しかし、うっすらと表面にウロコが残っていたりするので、まずは包丁で表面をかきます。

頭と内臓の処理

ウロコが取れたら頭を落とします。

ヘソから包丁を入れて、お腹を開いて内臓をかき出します。

内臓をかき出したらお腹の中の血合いを洗います。この時のポイントはお腹に残っている黒い膜はしっかりと洗い流すことです。膜が残ると臭いが出やすくなります。

見た目は背中が青くてお腹がキラキラして非常に綺麗ですが、内臓を出すとお腹が真っ黒なことから、「見た目はきれいだけど腹黒い」という表現に使われたりする魚です。

サヨリの腹開き

サヨリはお腹から開く「腹開き」でさばきます。腹開きは背中の皮1枚を残して半身を開き、そのあとに中骨を取り除くさばき方です。

まずは頭から包丁を入れます。この時のコツは、包丁の切っ先の位置を左手の人差し指で感じて、「この位置を切ってるな」というのを確かめながらさばいていくことです。切っている位置を探りながら開いていくと、それほど失敗はしないと思います。

そうすると背中の皮1枚をぎりぎり残して身を開くことができます。左手の指の感覚なしに開いてしまうと、切り過ぎて背中の皮を破ってしまったり、包丁の入りが浅くて皮ぎりぎりまで包丁が入らないことがあります。開いた時に背中の皮で繋がっているような状態が腹開きの理想です。

半身を開いたら、残りの身は骨を上にしたまま中骨を外します。骨を外す際のコツは、骨の形を意識しながらさばくことです。サヨリの骨は、内臓が入っている位置まで三角形の形をしているので、三角形を意識しながら包丁を入れます。

内臓が終わる辺りから骨が平たくなるので、骨が平たくなったら包丁を水平に動かすような意識でさばきます。

尻尾まで包丁が入れば骨が浮いてきます。骨が浮いたら繋がっている部分を切り離すと、サヨリを腹開きでおろすことができます。サヨリは細長くて身が薄い魚なので、上手にさばかないと食べる部分がほとんどなくなってしまいます。

肋骨・腹膜・血合いのとり方

サヨリのヒレの骨は意外と硬くて、アバラをかく際に包丁が引っ掛かるので、骨抜きでヒレを取り除きます。

ヒレを取り除いたら、アバラ骨をかきます。サヨリなどの細長い魚は、出刃包丁ではなくて、柳刃包丁などの長めの包丁のほうが使い勝手がよいでしょう。包丁を持ち変えて、長めの柳刃包丁でアバラ骨をかきます。

血合いと血合い骨を取り除きます。通常血合い骨を抜く際は、魚の身が割れやすいので、頭の方向に向かって骨を引っ張ります。しかしサヨリは鮮度が良いと身がしまる上に、血合い骨が非常に細いので、頭の方向に抜こうとすると、ぶちぶちと骨が切れてしまいます。サヨリの骨を抜く際のポイントは、骨抜きで骨をつかみ、尻尾の方向に向かって骨を抜くことです。サヨリは身がしっかりしまっていれば身が割れることはないので、通常と逆向きの方向に骨を抜きます。

臭みの抜き方

血合い骨を抜き終わったら、軽く塩を振って臭みを抜きます。サヨリは身は白いですが青魚に分類されるので、若干魚っぽさがあります。薄く塩を振って身の臭みを抜くと、美味しく食べられます。身が薄い魚なので、しょっぱくならないように薄く塩を振ります。塩をする時間は1分もたたない程度です。

塩が水分を吸って、うっすらと表面が湿ってきたら、すぐに氷水で洗い流します。氷水にお酢を少しだけ加えておくと、臭みを抑えることができます。

塩を洗い流したら表面に残った水分は、ペーパーでしっかりと拭き取るようにしてください。そのままにしておくと魚の身がどんどん水を吸って、ズブズブな身になります。水分を残さないように、しっかりとペーパーでふき取ります。

朝仕入れて夕方食べる場合は、仕入れて鮮度の良い段階でここまで下処理をして、夕方になったらさばいて食べるのがよいと思います。

サヨリの皮のむき方

腹開きにした場合は、さばいた時にできる身と皮のすき間から指を入れられます。

身を押さえながら皮を引っ張ると、サヨリの皮は簡単にむけます。

サヨリの刺身の盛り付け方

サヨリの切り方は、格子に包丁を入れて見た目を良くしたり、何枚か重ねて切って藤の花に見立てた切り方があったりします。色々ありますが、せっかく身の厚い閂を仕入れたなら、身の厚みや食感を一番活かすような切り方にするのが良いと思います。

閂の持ち味は身の食感なので、あまり薄く切らずにしっかりと身に厚みを残した4等分ぐらいのぶつ切りがよいと思います。魚の個性を活かした切り方を自分なりに考えてするのがよいのかな。

ぶつ切りにしたので、盛り付けはただ重ねるだけです。添え物はワサビを添える方もいますが、サヨリは青魚なので生姜がおいしいと思います。生姜を刺身に添える際は、細く切った針生姜を添える場合がほとんどですが、閂の場合は食感を楽しむために、すりおろした生姜を添えたほうがよいのかなと思います。

サヨリの皮の串焼き

サヨリは皮がしっかりしてて美味しい魚なので、せっかくなら皮も召し上がってください。皮の食べ方は非常に簡単で、串に巻いて焼くだけです。皮を軽く広げて串を皮目に刺し、串に巻きつけます。最後は皮の端をしっかり串で止めます。

あとは串に塩を振って焼いて食べるだけです。焼くとだいぶツマミっぽくなります。

魚を余さず食べるといった意味では、非常にいい食べ方だと思います。サヨリを仕入れる機会があったら、ぜひ試してみてくださいませ。

今回のYouTube動画

今回の記事は動画でも紹介しております。ぜひ、ご参照くださいませ。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次