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【海のフォアグラ】下処理の仕方と濃厚ワイン煮の作り方【あん肝】

あん肝のワイン煮の作り方をご紹介します。蒸してポン酢で食べることが多いあん肝ですが、意外な組み合わせのワイン煮でも美味しくいただけます。ポイントは良いあん肝を仕入れることと、しっかりと下処理をすることの2点です。ぜひお試しくださいませ。

目次

あん肝の産地

今回用意した北海道産のあん肝は臭みがほとんどなくて濃厚な味わいがあります。おそらく国内に出回るほとんどのあん肝は韓国産か中国産です。輸送に時間がかかる関係もあって結構匂いが生臭くなっているので、ワイン煮で食べる際は、ぜひ国産のあん肝で試していただきたいなと思います。

冬の出始めの北海道産のあん肝は結構いい値段がします。キロ1万5000円~1万8000円程度でなかなか手が出にくい価格ですが、輸入産とは仕上がりが全然違って濃厚で臭みのないフォアグラのような味わいになります。ぜひそこは奮発して試していただけたらなと思います。

あん肝の下処理

スジと膜のとり方

あん肝は結構大きいので食べやすい大きさに切り分けてから調理していきます。裏表関係なく太いスジが入っているので、スジに沿ってあん肝を切り分けます。

切り分けたら太いスジを包丁で外します。手で外すこともできるんですが、スジに身がくっついてきて形が崩れます。ちょっともったいない気もするんですが、僕の場合は太いスジは大胆に包丁で外してしまいます。

あん肝の表面はツルツルしていますが薄い膜で覆われているので、指で外していきます。つけたままでもよいんですが、膜があるとなかなか味が入りにくいのでむきます。膜は簡単に外れますが、包丁で外した太いスジの部分はなぜかきれいに外れずにあん肝の身がくっついてきます。なので、太いスジは包丁で外して薄い膜は手で外します。

臭み抜き

全体のスジと膜を取り除いたら、あん肝に結構しっかり塩を振ります。ほとんど臭みがないとはいえ、肝なのでレバー独特の血の香りや内蔵系の香りがあるので抜いていきます。あん肝はしっかりめに塩をしても簡単に味が入るものではないので、ベタベタと塩をまぶして構いません。この状態で10分ほど置いて、水分と一緒にあん肝の臭みを抜いていきます。

10分ほど経つと、うっすらと表面に水分が浮いてくるので一度塩を水で洗い流します。

塩を洗い流したら日本酒を全体に回しかけて、また10分ほどあん肝を置きます。肝の中に残った血や臭みを抜きます。人によっては塩を振った上から酒をかける人もいますが、僕は塩を振って水分を抜いたところに酒を入れたほうが臭みが抜けやすいと思っているので、このような手法で臭みを抜いています。

あん肝の表面が酒から浮いてしまう時は、ペーパーを上からかぶせて酒を全体に回すようにします。あん肝がヒタヒタにかぶるまで酒を注いでもいいですが酒のロスが大きくなってしまうので、僕の場合は全体に酒を回すようにしています。

10分経ったら、あん肝を煮ていきます。塩をひとつかみ加えて沸騰した塩水であん肝を5秒程度湯通しして氷水にとります。湯通しすると細かいアクが塩水に浮いてきて臭みを抑えることができます。最初に取りきれなかった膜などが浮いてくるので、この段階できれいに掃除してください。

あん肝のワイン煮の煮方

ここから本格的にあん肝を煮ていきます。赤ワインの値段はピンきりですが、そんなに高いワインを使わなくてもいいと思います。僕は1本300円~400円のワインを使って煮ています。1本5000~6000円するようなワインは飲む用のワインでもったいないので、コンビニで売ってるようなワインでよいと思います。

みりんは煮崩れ防止の効果がありますが、みりんを入れすぎるとあん肝の仕上がりが硬くなってしまうのであまりみりんはきかせません。醤油は2回し程度加えて、生姜のかたまりと、使いかけの柚子1個を落として、あん肝を入れて火にかけます。

もし赤ワインが足りなくてあん肝が浮いてしまうようなら水を足しても良いですが、なるべく水を加えずに赤ワインだけの濃いめの煮汁で煮るのがお勧めです。

紙でフタをしてこのまま鍋を火にかけます。沸騰しているところにあん肝を落とすと、あん肝の表面は結構柔らかいのでボロボロ崩れる恐れがあります。なので、僕は沸く前にあん肝を入れて火にかけます。

鍋肌からフツフツ沸騰し出したら火を弱めてあん肝を踊らせないようにしながら20分ほど火を入れます。どうしても一発じゃ味は決まらないと思うので、煮汁の味を見て甘さが足りないようなら甘さを足せばいいし、塩気が足りないようなら醤油を足せばよいです。

20分ほど経ったら一度火を止めて鍋ごとあん肝を常温に冷まして、そのまま冷蔵庫で一晩休ませます。意外かもしれないんですが、あん肝はなかなか味が入らないので、2回に分けて味を入れます。次の日にもう一度火を入れるので、鍋ごと冷ましてラップをして、下にバットなどを敷いて鍋ごと冷蔵庫に入れて保存します。

しっかりと休ませるとあん肝の表面にしっかりと色が付いています。

煮汁が減ってしまっているので少し水を足して、醤油で塩気を加えてもう一度火にかけます。弱火でコトコト20分ほど火にかけて、再び常温に冷ませば完成です。

あん肝のワイン煮の盛り付け方

温かいままだとあん肝は非常に崩れやすいので、扱う際は常温に冷ましてから扱うようにします。この段階でもあん肝の中にはまだまだ味が入りきっていないので、お店ではもう1日ほど寝かせてから使っています。家で食べる場合は、この段階で常温まで冷めたら食べ始めても良いのかなと思います。味を濃いめに仕上げれば3日~4日は日持ちするので加減してお召し上がりください。

常温に冷ましたあん肝は赤ワインの色がしっかり染み付いていますが、切ってみると断面はきれいなあん肝の色をしています。

あん肝はいっぱい食べるものでもないので、ある程度厚みがあるコロッとしたブロックに切り分けてちびりちびりと箸で崩しながら食べるのが美味しいんじゃないかなと思います。このまま食べても良いですし、ワサビや柚子などを添えても良いです。

バルサミコ酢のソースの作り方

味が完全に染みきっていないようでしたら、甘辛なソースをからめて食べても美味しくいただけます。あん肝の煮汁をちょっと取ってバルサミコ酢を少しと、好みで砂糖などの甘さを足して濃いめに煮詰めます。熱いうちはサラサラでも冷めると自然ととろみが出て意外と簡単にあん肝と赤ワインのソースができます。バルサミコ酢を煮詰めることで美味しいソースになるので、よかったら試してみてください。

今回のYouTube動画

今回の記事は、動画でも紹介しております。ぜひ、ご参照くださいませ。

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