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【タラバガニ】上手な捌き方・下処理の仕方【しゃぶしゃぶ】

タラバガニのさばき方をご紹介します。足をしゃぶしゃぶにするむき方や胴体を塩ゆでにして食べるためのバラ仕方を参考にして、ぜひお試しくださいませ。

目次

タラバカニとは?

通常カニというのは足が4本にハサミが1本あるんですが、タラバガニはヤドカリの仲間なので、足が3本しかありません。ヤドカリの仲間なのでタラバカニは前に進めるという特徴があります。

タラバガニの甲羅には五角形のくぼみがあります。その中央にトゲが6つ付いているのがタラバガニです。トゲが4つのカニもいるのですが、それはアブラガニという別種の生き物です。トゲが4つのカニがタラバガニとして売られていたら、その魚屋さんはあまり信用できないかな。

生で食べる時の注意

甲殻類は身が傷むのが非常に早いので、生で食べる場合は必ず生きたものを使用してください。カニがすでに生きていない場合はお刺身やしゃぶしゃぶではなくて茹でて食べることをお勧めします。

カニのさばき方

作業をするのにどうしても時間がかかるので、カニの身はどんどん鮮度が落ちていきます。少しでも鮮度が落ちるのを遅らせるために、バッドに氷を敷き詰めておいて、むいたら載せておきます。

カニのカラは硬いんですけれど、タラバは比較的柔らかめです。今回は出刃包丁を使っていますが、家庭用の包丁でも簡単に刃が入るので、タラバガニをさばく機会があったらぜひ試してみてください。

足の切り落とし方

まずはカニの足を切り落としていきます。ちょっと分かりづらいですが、カニの足は付け根のフワフワッとした刃が入りやすい部分と、それより1つ先端のほうの関節にも刃が入りやすい部分があります。人によっては付け根側を切り落とす人もいるんですが、足をむき身にする時に取りづらくなるので、先端側の関節を切り落としてしまいます。

爪の部分は斜めに入っている関節の位置に沿って切り落します。

足の分け方

切り落とした足は3か所に関節があるので、3つの部分に分けてからむき身にします。カニに包丁を入れる時は、外側の黒い部分より内側の裏側の白っぽい部分のほうが包丁が入りやすいです。カニの足を裏返してカラを切っていってください。

真ん中の短い関節の上寄りの位置と、短い関節の部分で切ると、付け根側はちょっとだけ関節が残っている状態、足の先端側は爪が1本残っている状態になります。真ん中の関節部分は胴体と一緒に火を入れて食べてしまうので、別で取り置いてください。

カニの足のむき方

足をむく前の準備

足をむき身にする前に、必ず氷水を用意して日本酒を少々加えておいてください。カニの身はアクが非常に回りやすいので、さばいたらサッと氷水に付けてから食べます。氷水につけないと、カニの身にどんどんアクが回って黒くなっていきます。

むき方

まずは一番大きい足からむいていきます。カニの足の内側のV字にカラが割れている部分から包丁を入れます。包丁をカラに沿って這わせていくんですけれど、カラが硬くて引っ掛かると力が入って包丁が急にグッと進んだりするので、必ず手は包丁の進行方向にないようにしてむいてください。

足を立ててむくとむきやすいと思います。手が入り込まないように気をつけながら、カニのカラを削ります。出刃包丁があれば、ちょっと力を入れると切れます。

次に、関節の部分はカラと繋がっているので、V字の位置から関節部分に包丁を入れて関節とカラを切り離します。

関節に包丁が入ると関節部分が浮いてきます。浮いてきた関節を持って身を引っ張ればズルっとカニの身を抜くことができます。ただ引っ張るだけなんですけれど、意外ときれいに足の身は取れるので、思ってるよりも難しくはないかな。

足の身には赤い膜みたいなものが付いてくるんですが、これは脱皮前のカニの薄いカラです。口に意外と当たるので、脱皮前の薄いカラは骨抜きなどを使ってはずします。

身がむけたら、先ほど用意した氷水にサッと通します。

続いて先端側の足の部分のカラをむきます。やり方はほぼ一緒です。端から包丁で薄くカラを削ぎます。

カラが削げたら関節の周りに包丁を入れて、関節が浮いてきたら足の身を引っ張るだけです。

脱皮前の薄い赤い膜が付いてきたら骨抜きなどで取ります。

氷水に浸ける時間

氷水にカニの身を浸けておく時間は1~2分でいいかな。氷水からあげたらペーパーで水気をふき取って、キンキンに冷やして保存するのがよいと思います。氷水に浸けておくとどんどん繊維がほぐれて、カニの身がフワッと膨張してきます。あまり水に浸け過ぎるとカニの旨味が抜けてしまうので、繊維がほぐれ過ぎない程度を目安に浸けます。

試しに5分ほど氷水に浸けておいたものは、繊維がほぐれています。この状態を「花が咲く」と言って見た目はきれいになるんですが、身は水っぽくなりますし旨味も抜けてしまいます。僕はあまり水に浸けていない状態のほうが美味しいと思います。

長く浸けた状態は見た目が非常に綺麗なので、この状態で提供するお店もたくさんあります。皆さんお好きなように調理していただければと思います。

しゃぶしゃぶの仕方

しゃぶしゃぶにする際は、むいたカニを氷などの上に盛り付けて、沸くか沸かないかギリギリの昆布出汁を用意します。手でカニのカラを持って、昆布出汁にサッと通してパクパク食べるのが美味しいと思います。

火を入れてうっすらと表面が白くなったカニを、ポン酢や生姜を効かせた出汁酢などで食べるのが美味しいと思います。もちろん刺身で食べても美味しいので、お好みでお召し上がりください。

加熱前の下処理

短い関節や爪の部分は加熱して食べます。焼いても鍋にしても茹でてもいいと思います

胴体の下処理

胴体は、カニ味噌と甲羅を外して、エラや小さい手足も外した状態にしてから火を入れると、コンパクトになって小さい鍋でも調理しやすくなります。毛ガニやズワイガニと違って、タラバガニのカニ味噌はそこまで美味しいわけではないので、カニ味噌は抜いてしまいます。

まずはフンドシに包丁を入れて外します。フンドシを取るとカニ味噌が出てくるので、カニ味噌をスプーンでかき出して取り除きます。

タラバはかなり大きさがあって鍋に入りきらなかったりするので、この段階で甲羅から外してもよいと思います。甲羅は胴体と内側で薄い膜みたいなもので繋がっているので、膜を外します。

甲羅を外すとフワフワとしたカニのエラが並んでいます。この部分はガニと呼ばれています。「カニは食べてもガニ食うな」なんて言って意外と間違って食べちゃう人が多いんですが、食べても全然おいしくない部分なので包丁で切り取ります。

口の周りの小さい腕も外します。適当に境目に包丁を入れると簡単に外れます。

タラバガニにはフンドシの内側に謎の手があります。この部分も食べる身はほとんどないので、外してしまってよいのかな。手の部分はほとんど身が詰まっていませんが、ちょっと大きい関節だけは身が詰まっているので一緒に茹でてもよいと思います。

カニのゆで方とバラ仕方

今回は塩ゆでにします。タラバガニの場合は海水程度の濃いめの塩水で30分ほど茹でます。バラしているので20分程度でも火は入るんですが、甲殻類は火をしっかり入れると甘みが出るのでちょっと長めに火を入れます。

塩ゆでしたカニの身をバラす際は細い箸などを使ってもバラせますが、あればカニスプーンを使ってもいいと思います。

フンドシは真ん中で半分に割るとカニの身が詰まっているので取り出します。フワフワッとした身で、ちょっと他のカニにはない食感なので別で取り置いて食べてもよいのかな。

関節部分はカニスプーンを中に差し込めば自然と身が出てくるので、さして難しいことはないです。真ん中に1本骨があるので取り除きます。

爪の部分はちょっと力を入れて関節ごとに逆に身をひねって割ります。割ったらカラの内側に残った身をほぐすだけです。自然と薄い骨が露出するので、骨の周りの味をほぐします。

胴体の部分はまず切り分けます。切り分けた足は縦に割ったあとに横に割って身をほぐします。毛ガニやズワイガニと違ってタラバガニは身が大きいのでボロッとカニの身がほぐれるので比較的バラしやすいと思います。

基本的な構造は一緒なので、塩ゆでだけでなく蒸したり焼いたり鍋にして美味しく召し上がってくださいませ。

今回のYouTube動画

今回の記事は動画でも紹介しております。ぜひ、ご参照くださいませ。

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