魚の基本的な捌き方

鱗引きより、すき引きの方が魚の身にかかる負担を減らせます

大きなヒラメで、すき引きのコツを紹介します。すき引きは魚の身の負担が少ないウロコ取りの方法です。魚をおろす際の参考にして、楽しんでお料理してくださいませ。

すき引きのメリットは?

すき引きは、魚に優しいウロコの取り方です。金ダワシで取っちゃいけないんですか?という質問を見かけますが、金ダワシで擦るとどうしても魚の身に圧力がかかって細胞を潰してしまい、身の傷みが早くなります。

すき引きは力を加えないので、身にほとんど負担をかけずにウロコを取ることができます。すき引きしたお刺し身は細胞が生きた状態なので、よりおいしく食べることができます。魚を熟成するにしても鮮度を保つことが可能なので、すき引きをお勧めしています。

ウロコを引く理由は?

ウロコを引く理由は、臭みを減らすということがひとつあります。もうひとつは、衛生面の理由からです。

結局は魚の皮を引くのだからウロコ付きのままおろしてもいいんじゃないか?という質問も見かけますが、ウロコが付いたまま魚の皮を引くと、まな板にウロコがくっつきます。ウロコが付いたまな板の上で魚を扱うと、当然ながら魚にもウロコが付きます。

市場というのは土足で出入りをする場所で、競り場では魚を地面に近い位置に置きます。そのため、魚の表面は汚れている場合があります。汚れているウロコが付いたまな板で刺し身を扱うのは衛生的にいかがなものでしょうか。僕はしっかりとウロコを取り除いて魚をきれいに洗ってから調理をするようにしています。

すき引きの準備

ヒラメの鮮度が良い場合は、体表にしっかりと滑りが残っているので、まな板に置くとつるつると滑ります。滑りのある魚を扱う際は、まな板の上にキッチンペーパーなどをかましてから作業をすると魚が滑りません。

すき引きの作業をする際には、濡れたサラシを1枚手元に置いておくと便利です。例えば内臓が入っているプニプニッとした部分は、まな板と魚の間にサラシをかませることで身が張ってすき引きしやすくなります。

ヒレの処理

まずヒレをハサミでしっかりと切り落とします。ヒレがしっかり落ちていないと、魚のキワをすき引きにする際にウロコが残りやすくなります。腹ビレや胸ビレも一緒に落としておくと、作業がしやすいです。

すき引きの進め方と方向

真ん中のラインからすき引きをする方もいると思いますが、僕の場合はヒレのフチから始めます。隙間なく作業できるような気がするのでそうしています。

すき引きをする向きは、包丁を左に進めても右に進めても、やり易いほうで構わないと思います。僕の場合は、尻尾を左にして黒い面の背中側のフチからスタートして、包丁を右に進めます。

半分ほどウロコを引いたら尻尾と頭の向きを入れ替えて、包丁を左に進めてすき引きします。

黒い面のすき引きをしたら裏返します。ヒラメを返して白い面のすき引きも、やる作業自体は黒い面と全く一緒です。端から順々に、なるべく力を入れずに包丁の上下前後の動きだけでウロコを切り進めていきます。

すき引きのポイント

すき引きのポイント1

まずは何と言ってもしっかりと切れる包丁ですき引きすることです。包丁の切れ味が悪いと、すき引きの際に力が入りやすくなって余計な力が入ります。すると、身に力が加わって身を削ってしまうという事態が起きます。なるべく切れ味の良い包丁をお使いください。

すき引きのポイント2

まな板のヘリを使って高低の差をしっかりと出すことが2つ目のポイントです。魚の体は丸まっているので、しっかりとまな板のヘリを利用して魚を移動させながらすき引きます。

まな板の中央で魚のフチをすき引きしようとすると、包丁の角度がつきません。なので、思い切りまな板のヘリに魚を寄せて、手がまな板より下に入り込むような角度で作業をしていきます。

すき引きのポイント3

すき引きの失敗として、薄い皮を削ってしまうパターンが多いと思います。慣れるしかないと言えば慣れるしかないんですが、薄い皮を削らないためのポイントは包丁を持つ手にあります。

包丁を持つ手の力を極力入れないようにします。包丁の持ち手は力を入れずに、上下の動きだけでウロコを切り進めていきます。下の身を押しつぶす方向に力が入ると薄皮を削ってしまうので、包丁は優しくヒラメの表面に置くようなイメージです。上下に動かす動きでウロコを切り進めていきます。そうすると表面の皮を削ってしまうということはないのかな。

すき引きのポイント4

一度ウロコを引いたら包丁を水で洗いつつ濡らして作業をすることもポイントです。包丁がスルスルッとウロコと皮の間に入って滑ってすき引きできます。

ヒラメの表面は作業してるとどんどん乾いてきます。表面が乾いてくると包丁が走らないというか、滑らなくなって非常に作業が遅くなります。滑らなくなった時に無理に動かすと余計な力が入り、下の皮を削ってしまいます。

ヒラメのすき引きポイント

ヒラメは黒い面より白の面のほうが皮が薄いんです。白の面をすき引きする際のほうが薄皮を削りやすいので、より慎重に力を入れないようにしながらすき引きします。こまめにヒラメを動かしながら、作業をしやすいように角度を調整して、滑るようにしながら作業をしてください。

今回のYouTube動画

今回の記事は動画でも紹介しております。ぜひ、ご参照くださいませ。