魚の基本的な捌き方

煮アワビの作り方!醤油・みりんを使用せず煮る方法【煮貝】

煮アワビの作り方をご紹介します。アワビの下処理から盛り付け方まで説明していますので、ぜひ参考にしてくださいませ。

アワビの種類

流通するアワビは、黒アワビ、エゾアワビ、メガイアワビ、マダカアワビの4種類があります。今回は京都の舞鶴の黒アワビを使って煮アワビを作ります。

煮貝とは?

関東の方は結構知ってると思うんですけれど、煮貝は山梨県、甲州の名物だったりします。甲州の煮貝は醤油やみりんで甘辛い味付けになっています。なぜ海のない山梨県で煮貝が名物なのかと言うと、昔、静岡と山梨は貿易が盛んで、駿河で煮た貝を山梨まで運んだ関係で山梨の名物になっています。武田信玄の好きな食べ物が煮貝ということもあって、山梨のサービスエリアではお土産になっていたりします。

今回ご紹介する煮アワビに醤油もみりんも入れない理由は、醤油のにおいが強いからです。アワビ自体のものが良くアワビの香りを楽しみたいので、香りを消すような醤油は入れずに酒と塩だけで煮ます。

ネットの記事では煮アワビや蒸しアワビにはメガイアワビが向いているという情報が流れていますが、ぜひ一度食べてから判断していただきたいなと思います。ものの良い黒アワビを加熱した時の香りや食感は、ものすごく美味しいと思います。

もちろん、黒アワビでもニガイアワビでも小さくて鮮度が悪いものをいくら煮ても香りがなく、柔らかくなりません。アワビは個体差が大きいので、この貝はこういうふうに調理しましょうなんて単純なものでもない気がします。

アワビの掃除の仕方

擦って表面の汚れを落とします。アワビは岩場にくっつく面に砂や小石が残っている場合が多いので、この面をよく掃除します。

殻と身のキワに指を入れて、貝殻に隠れている部分も擦ります。ものさえ良ければアワビは擦ると硬くなるので、なかなか指を入れづらいと思います。でも、この部分にも汚れが残りやすいので、しっかりと擦ってください。

貝殻も擦ります。人によっては貝殻から身を外して煮る人もいるんですけれど、僕の場合は貝殻ごと火にかけてしまうので、貝殻もよく汚れを落としてください。全体をしっかりと擦ったら一度水洗いをします。

アワビの煮方

水に昆布を入れて数時間戻した昆布出汁に、殻付きのままアワビを加えます。そこにたっぷりのお酒とお塩2つまみ程度加えて、2時間~3時間アワビが柔らかくなるまで煮ます。

アワビが大きくて表面が浮いてしまいますが、この段階では気にせずに火にかけてください。

ボコボコ沸いてきたら、多少火を弱めてアクをすくい取ります。アクをすくったら落し蓋をして、このまま30分ほど煮ていきます。

30分ほど経つと煮汁が減ってアワビが浮いてくるので、ここでアワビを殻から外します。外す際はスプーンや木のヘラなど、何でもいいので貝柱を擦れば簡単に外れます。

はずしたら煮汁にアワビを戻し入れて、しっかりと柔らかくなるまで火にかけていきます。

最初に殻から外さずに煮る理由は、殻から外した時にアワビから出てくる水分に、多少なりともアワビの旨味が含まれていると思うからです。アワビから出る水分を煮汁に出して煮詰めていくことで旨味が凝縮された煮汁になります。そして、その煮汁にアワビを付け込んで旨味をアワビの身に戻します。

アワビが鍋から浮いてしまうので鍋を小さくすればいいのですが、小さい鍋がない場合はボウルにアワビと煮汁をボウルに移して、ボウルごと湯煎にかけます。こうするとしっかりと煮汁に浸かったまま火が入っていきます。

1時間~1時間半、アワビが充分に柔らかくなるまで火にかけてください。

湯煎にかけてから大体1時間半、合計で2時間ぐらい火にかけます。串を刺してみて入るようなら煮アワビの完成です。この状態でラップをして一晩置き、じっくりと出汁と塩気をアワビに含ませます。一晩寝かせて、食べる直前に一度火にかけてから食べます。

アワビの捌き方

アワビのヒモは引っ張れば簡単に外れます。火にかけると熱くなるので、温める前に外しておいてもいいと思います。

肝はちょっとした膨らみに砂が溜まるので、この部分を取り外します。残った部分は裏ごししてソースにしてもいいですが、今回はそのまま切って食べてしまいます。

肝の残った部分は見分けが難しいです。フカフカした部分は魚でいうエラの部分なので、食べても美味しくありません。エラを除いた部分はヒモなので食べられます。

アワビの本体にはアワビの口が付いています。口は硬いので食べないようにしてください。押さえて引っ張れば簡単に外せます。口を外して残った部分が可食部位です。

思い切って厚めに切って、一口でパクっと召し上がってみてください。香りの良い超高級かまぼこといった感じの味がします。

煮アワビの切り方・盛り付け方

切り方はウネウネと左右に包丁を動かしながら切る波切りです。普通にまっすぐ切ってもよいですが、波切りにしたほうが表面積が広くなるので、口に入れた時に香りや味を感じやすいと思います。いろいろ試して美味しい食べ方を見つけてください。

お重などに盛り付けるのであれば、貝殻に戻して盛り付けるときれいに盛れます。火に入れて縮みが出るので、そのまま殻に戻すとアワビが小さく見えますが工夫して盛り付けてみてください。下に肝、上にアワビを乗せて、アワビを食べた後に肝が出てくる盛り付けがいいかなと思ったりします。

余った出汁はカツオ出汁や昆布出汁で割って、お吸い物にしてもとても美味しく召し上がれます。

今回のYouTube動画

今回の記事は、動画でも紹介しております。ぜひ、ご参照くださいませ。