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カラスミの作り方

今回はカラスミの作り方を【塩漬け・味噌漬け・生カラスミ(ソフトタイプ)・熟成タイプ】の4種類に分けて説明いたします。

この記事ではカラスミを作り方を【血抜き】【漬け込み】【干し】の3つの工程に分けて記しております。

カラスミとは?

一般にカラスミと言うのはボラの卵巣を塩漬けにして干したものです。独特のネットリ感と塩辛さが酒のツマミにはもってこいでして、珍味の代表みたいな味をしております。

日本ではボラ子(ボラの卵巣)で作るのが一般的ですが、ヨーロッパではマグロの卵巣で作ったりもしておりまして、イタリア料理のボッタルガと言うのはカラスミの事だったりもします。

ボラの生息域が広い影響もありまして、意外にも世界中で食べられている食材です。

台湾産のカラスミは品質が良い事で有名だったりしますし、秋口にはオーストラリア産のボラの卵巣(冷凍品)が市場に並んだりもします。

カラスミの作り方

カラスミは、味噌漬けにしろ塩漬けにしろまずは血抜きをします。以下で説明します。

まずはカラスミを仕入れましょう。

仕入れに行くと分かるかと思いますが、カラスミは産地によって値段が大きく異なります。

色や大きさ、漁獲量などカラスミの値段に影響する要因は多々ありますが、一般に千葉や兵庫などの内湾のボラ子(カラスミ)は値段がやや安く、宮崎や長崎、大分など、九州産のボラ子(カラスミ)は値段が高い傾向にあります。

また、カラスミは和食店ではお節料理に欠かせない一品であるため、年が明けた1月からは値段が落ちやすい傾向にあります。

写真は大分県産のカラスミ。

カラスミを仕入れたらまずは血抜きです。カラスミには表に小さな血管、裏には太い血管が通っております。血がカラスミに残ると生臭いカラスミに仕上がってしまうため、しっかりと血抜きをしましょう。

カラスミの血抜き

まずは血管に穴を開けます。

写真の様に血管の交差している位置と

裏の太い血管に穴を開けていきます。しっかりと殺菌した画鋲を使っております。

穴を開けたら、表面から、この様に串などを使って血管をなぞると血が抜けていきます。

裏側も血管をなぞります。

太い血管に血を集め、そこから血を抜いていくイメージです。

実際には水を流しながら作業します。

これで血は抜けたように見えますが、これではまだ不十分。見えない血がカラスミ内に残っております。

完全に血抜きをする為に、このままカラスミを氷水に一晩漬け込み冷蔵庫に保存します。(血抜きの際は塩は入れません)

写真は氷水に1晩漬けた画像。血が水に溶け出しているのを確認できると思います。

この作業をしないと生臭いカラスミになってしまいますので、氷水による血抜きは必ず行いましょう。

写真は血抜き後のカラスミです。血が抜けて綺麗になったのがお分かりいただけますでしょうか?

ここから塩漬けに入ります。塩漬けの時間はカラスミのタイプによって異なるので、それぞれ記事にまとめさせていただきます。

カラスミの漬け方(塩漬けタイプ・半生タイプ)

塩漬けタイプのカラスミは最もスタンダードなカラスミです。市販されているカラスミは主に塩漬けのカラスミと言えましょう。ソフトタイプのカラスミ(生カラスミ)も基本的には塩で漬け込みます。漬け込みの作業に差はありませんので、まとめて書かせて頂きます。

まずは血抜きしたカラスミの表面を塩で覆います。塩は好みの塩をお使いください。私は天然塩を2種類ブレンドして使っております。

このまま24時間塩漬けにします。

24時間経ちますと、

この様にカラスミから大量の水分が出ます。

ここで一旦塩を洗い流します。

一晩で水分が抜けた様子が伝わりますでしょうか?(1週間塩に漬けこむ方法もありますが、鮮度の良いカラスミであれば、塩は一晩で十分です。)

塩に一晩しか漬けておりませんので、塩抜き(真水にて塩を抜く作業)は不要です。

塩抜きをしない代わりに、ここからは酒塩に3日間漬け込みます。

酒100gに対し塩8gの酒塩を用意します。

そこに3日間漬け込みます。

冷蔵庫の温度や使う塩、カラスミの状態によって塩加減は異なる為に、8%の酒塩が適した濃度とは言い切れませんが、基本的にはこれで安定した味になるはずです。

酒塩に3日間漬け込みますと写真の様に、再びカラスミがふっくらとします。

ここから干しに入ります。

干し方については下の方にまとめております。

カラスミの漬け方(味噌漬け・西京漬け)

カラスミは味噌に漬け込んで作る事も可能です。西京味噌を使えばカラスミの西京漬けとなります。

細かく見ていきましょう。

カラスミの味噌漬けを作る場合も塩漬けの工程はかかせません。最初に塩をしてカラスミの水分を抜きます。

ヘソ(カラスミが繋がっている部分)にもしっかりと塩を回しましょう。

このまま12時間程冷蔵庫に入れて水分を抜きます。表面の水分が抜けているものの、中はまだ柔らかい状態になります。(塩漬けを作る際と、同じ要領です。)

塩を洗い流し、味噌に漬け込みます。漬け込む際は

写真のようにガーゼに包んでも良いですし、直接漬け込んでも構いません。

味噌は味の入りが遅いため、このまま1週間漬け込みます。

1週間経ったら、味噌を洗い流し、12時間、焼酎に漬け込みます(私は麦焼酎に漬け込んでおります。)

その後、干しに入ります。(ちなみに味噌漬けの場合は、塩漬けよりも水分が抜けているので干す時間は短くなります。)

カラスミの漬け方(熟成タイプ)

熟成タイプのカラスミは上記2つの作り方よりも塩を強めに漬け込みます。しっかりと塩を回すことで2年以上寝かせても悪くならないという訳です。

血抜きをしたカラスミにカチカチに塩をし、1週間寝かせます。初日は大量の水分が出ますので水を切りましょう。

1週間経ちますと

カラスミの水分が抜けてカチカチになっているはずです。このままでは塩分が強すぎるため、塩抜きをします。

真水にごく少量の塩を入れ、カラスミを1日漬け込み冷蔵庫に保存します。

一日経ちますと、中心に芯が残っているものの、カラスミは水を吸い込み、ふっくらとします。

この状態から、酒と焼酎を1:1で合わせた物に漬け込みます。(焼酎を合わせずとも酒のみでも可能ですし、白ワインや紹興酒に漬け込む方もいらっしゃいます。)

酒に漬け込み1週間経ちますと

この様にふっくらとした状態になっているはずです。ここから干していきましょう。

カラスミの干し方

ここからはカラスミの干し方について説明します。

塩漬け、味噌漬け、どちらも干し方は変わりません。

ヘソについて

カラスミに付いているヘソですが、これは付けたままでも構いません。

しかし実際にはこの部分は食べませんので、外してしまう事も可能です。ヘソを外す場合は、

この様にタコ紐などで縛って置くと良いでしょう。中の卵が飛び出すのを防げますしね。

カラスミの干し方

カラスミの干し方は基本的には干物の作り方と大差ありません。

ザルや巻き簀に並べて陰干しにしても良いですし、

カラスミの表面に跡が残るのが嫌であれば、

これは板に挟んでから干したカラスミ

バットに並べて干しても構いません。

そのまま干せば丸みを帯びたカラスミになり、板に挟んでから干せば平たいカラスミに仕上がります。

干す前に板で形を整えると平たいカラスミに仕上がります

カラスミの干し方

カラスミを干す際のルールを箇条書きでまとめます。

  • 1日1回裏表をひっくり返す。

裏の方が乾きにくいため干しムラを無くす様に裏表を返しましょう。

  • 1日1回表面に酒(または焼酎)を塗る。

厚みのあるカラスミは表面と中心部の乾燥の具合に差が出やすいため、酒を塗る事でムラを抑える事ができます。

  • 昼間は太陽光に当て夜は室内に干す。

長時間外に干す訳ですから雑菌が繁殖しやすいです。太陽光の殺菌作用に期待して日中は外で干します。また冬場は夜露でカラスミが濡れてしまわない様に、室内に取り込みます。

以上が基本的な干し方です。

カラスミは何日間干すのか?

カラスミは何日干せば出来上がるのか?

ここではタイプ別に見ていきましょう。

ソフトタイプ(生カラスミ)の場合

ソフトタイプ(生カラスミ)の場合は大体2日から4日で干し上がります。もう少し干してネットリ感を出しても美味しく頂けます。この辺は好みで加減してください。

表面は乾いているけれど、中はまだ柔らかい状態で干しをやめれば完成です。

表面は軽くねっとりしており、中は魚卵のプチプチ感が残ったカラスミを楽しむ事ができます。

カラスミ本来の黄色い色も魅力の一つと言えましょう。

※水分が残っている為、日持ちはしません。保存する場合は冷凍庫に入れて保存しましょう。

カラスミ(塩漬け・味噌漬けの場合)

これら二つのカラスミは基本的に表面と外側が同じ程度に固くなるまで(約10日間)干します。

長い期間干す事でカラメル色が強く、ネットリ感のあるカラスミに仕上がります。

塩辛さとネットリ感が日本酒に最適です。

冷蔵庫で数ヶ月保存が可能です。

熟成タイプの場合

長期熟成させるつもりであるならば、カラスミを完全に乾燥させる必要があります。

約2週間ほどでカチカチのカラスミに仕上がるはずです。

乾燥させた後は真空パックにして保存しましょう。真空パック内でも熟成が進みます。

3年も寝かせれば、写真の様に真っ黒なカラスミに仕上がります。

独特の風味は熟成させたカラスミの醍醐味と言えましょう。

タイプ別のカラスミの作り方は以上となります。

いかがでしたでしょうか?何かの参考になれば幸いです。

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