魚の基本的な捌き方

【身割れしないコツは?】プロが教えるサクラマスの捌き方【大名おろしの理由】

春先に水揚げのあるサクラマスのさばき方と燻製おつまみの作り方をご紹介します。ヤマメとマスとサケについても説明します。

サクラマスとは?

サクラマスはあまり知られていませんが、ヤマメなんです。川に残って一生を過ごすヤマメはヤマメとして成長していきますが、川から海まで下りたヤマメはサクラマスと呼ばれます。子供の頃はヤマメとして生きていて、海でエサを食べて大きくなって川に帰ってくるというちょっと感動的なお話だったりします。

海で獲れたらサケ、川で獲れるのがマスという方がいますが、サクラマスは一度海に行って戻ってきたりするのではっきりとした違いはありません。生態がわかりきっていない中でマスやサケという呼び名が先についたので、明確な区別はあまりありません。

サケやサーモンの影響でオレンジ色の身をした魚は安いお魚のイメージがあるかもしれませんが、サクラマスや秋口にあがるオオスケ、マスノスケはなかなかな高級魚です。サクラマスも1匹が余裕で1万円を超える高いお魚です。みなさんが思っている以上に、市場では高級魚として扱われていたりします。

サケ科の魚は独特な臭みが脂にあって苦手という方も多いんですけれど、サクラマスはマスノスケ、オオスケ、サーモンなどの魚ほど脂が強い魚ではありません。非常にあっさりしつつ身の旨味もありつつで、なかなか美味しいなと感じる魚です。

サクラマスのさばき方

ウロコの取り方

ウロコは金ダワシで体表をこすって落としてください。ヒレのキワまでしっかりと落としたいので、ハサミでヒレを切り落としてからウロコを落とすようにしてください。

マスは生食するので、包丁ですき引きしたくなるかもしれません。でも、サケ科の魚は皮は厚いんですけれどウロコは非常に薄くて、すき引きしようとすると皮をはいでしまうんです。

サケやマスは非常に身が割れやすい身の柔らかい魚ですので、扱う時はなるべく両手で丁寧に扱うようにしてください。

内臓の取り方

続いて頭を落としていきます。頭を落とす時は他の魚と一緒で、カマ骨のラインから頭を切り落とします。

頭と内臓を一緒に引き抜いて、お腹の血合いに1本包丁を入れて血合いをきれいに洗い流します。サケの血合いは、骨抜きの背中を使ってかき出すと比較的きれいに血合いが取れます。魚体を水洗いしたら、おろしていきます。

サクラマスのおろし方

サケ科の魚は、下身は普通に3枚におろしますが、上身は大名おろしにするので、そのおろし方を紹介します。

下身は一般的な3枚おろしなので、腹と背に包丁を入れて普通におろすだけです。サケ科の魚は身も骨も非常に柔らかいので、扱う際は力を入れすぎずにおろしてください。

上身は、まずお腹側の骨を裏おろしに近いおろし方ではずします。

真ん中の中骨は大名おろしでおろします。中骨をブチブチと断ち切るように包丁で切るので、身に骨が残っています。残った骨は柳刃包丁でへぎ取っていきます。

なぜこんなおろし方をするのかと言うと、単純にサケは身が非常に柔らかくて身割れしやすいからです。また大型で骨も柔らかいので、このおろし方が一番身が割れづらいです。

背ビレが入ってたラインは、背ビレの骨が身に残っているのではずします。骨の入っているところは、身の繊維の関係で色が変わっているので、比較的骨自体は見つけやすいと思います。色の境目を狙って、包丁を入れていきます。

次に肋骨をすいていきます。

腹膜と腹ビレがついていた骨をそぎ落とします。

中骨の残りは、腹と背の身の分かれる真ん中の位置(青線)に残る場合が多いのですが、サケの場合は中骨の位置よりちょっと上(白線)に骨が残ります。それを意識して骨を探すと、結構作業がはかどりやすいのかな。

中骨の処理が終わったら、上身をお腹と背中の半分に分けます。お腹と背中の半分に渡した部分に白い筋があります。白い筋は、生食すると口の中に残りますので、包丁で削ぎ落としてしまってください。

食べやすい好みの大きさに切り分けます。

サクラマスの燻製おつまみの作り方

適当な大きさに切り分けたら、切り身を地に浸け込みます。みりんと醤油を1対1程度の割合で合わせた地に切り身を浸け込んでいきます。浸け込む時間は大体1時間から2時間程度です。しっかりめに味を入れて身の水分を抜きます。みりんと醤油の他にお酒を入れる場合は、もう少し長めにつけてもいいのかな。

上からペーパーをかけて下味をつけていきます。充分味がしみるとマスの水分も抜けて身がネットリとしてきます。

サケ科の魚は寄生虫が多いので基本的には生食にはむいていません。虫を殺すために一度冷凍します。虫が死滅する温度は冷凍庫のスペックによるので、厚労省が出している温度と時間を参照してください。

冷凍する時は、バットに並べていれます。充分に冷凍したら食べるだけです。完全に溶かしてから表面を炙って食べてもいいですし、お店ではワラ焼きといってワラでいぶしてちょっとワラの香りをつけてから出したりしています。

家で食べる時のおすすめは燻製です。燻製を作る時には「けむらん亭」という調理家電があるので、よかったら「けむらん亭」を使って燻製を作ってください。ガスを使って燻製するより火力が弱いため長時間加熱することになるので、半凍りくらいの状態で入れるとちょうどよく燻製できます。

「けむらん亭」の使い方は非常に簡単で、チップの上に網を乗せて、食材を乗せてアルミで覆って、燻製ボタンを押して時間をセットしてスタートするだけです。

時間になったら、あとは切って食べるだけです。ガスほど火力は強くないので、皮目などちょっと火の入りが甘そうだなと思ったら、バーナーか何かで皮目を炙ってからお召し上がりください。

調理家電ですので、本格的な燻製に比べれば香りが弱かったり物足りなさを感じる部分もあるとは思うんですけれど、家庭で煙の匂いも少なく調理できるのであれば家庭料理としてはこのぐらいで充分ではないかと思います。よかったらお家で試してみてください。

切り方・盛り付け方

火が入ってから切りつけると身がボロボロになりやすいので、形が崩れるのが気になるなら冷蔵庫でしっかりと冷やしてから切り分けると、比較的崩れることなく切り分けられるかと思います。

今回のYouTube動画

今回の記事は、動画でも紹介しております。ぜひ、ご参照くださいませ。