魚の基本的な捌き方

【猛毒あり】オコゼの捌き方と刺身(薄造り)の切り方【肝・皮の処理】

夏を代表する魚、オコゼの捌き方と背ビレの取り扱い、お刺身の作り方をご紹介します。

オコゼの背びれの外し方

オコゼといえば、背ビレに猛毒を持っていることが知られています。僕は背ビレが刺さったことも刺さっちゃった人も見たことがないんですが、背ビレが刺さると手がグローブのように腫れると言われています。くれぐれも手に刺さないように注意しながら、オコゼをさばいてください。

入荷したら、まずは背ビレを切り落とします。背ビレは包丁で外してしまう方法もありますが、ハサミなどを使って切るというのも安全にさばく一つの方法です。

背ビレを切り落としたら三角コーナーなどには捨てずに、ペーパーなどに包んでゴミ箱に捨てて、決して手が触れないような位置に置いてください。

オコゼの汚れの落とし方

オコゼは身の表面がかなり汚れています。さばく前に、水を流しながらタワシなどでこすって表面の汚れをきれいに落とします。

オコゼはウロコがない魚なので、この段階でしっかりと汚れを落としてからさばきます。オコゼはそんなに動かない魚なので、表面に苔のような汚れが付着しています。

オコゼのさばき方

オコゼをさばいていきますが、背ビレを落としているとはいえ、背ビレの根元はまだオコゼの身に残っているので充分注意してさばいてください。オコゼは表面の皮がダルダル伸びて作業しづらいので、包丁をギンギンに研いでから作業したほうがきれいにさばけます。

まずはお腹の腹ビレから皮を切り離していきます。この時の角度は腹ビレに沿わせるように、なるべく身を削らないように腹ビレだけ浮かせるようなイメージで包丁を入れます。

内臓が出てくるので、内臓を傷つけないように腹ビレを外します。

腹ビレを外したら、続いて胸ビレと一緒に頭を落とします。オコゼは頭が大きい魚なので、見た目が非常に大きく見えても意外と身の部分は小さかったりします。なるべく頭に身を残さないように切り進めてください。

中骨を切り離してそのまま頭を引っ張って、頭と内臓をオコゼの胴体から引き抜きます。

オコゼの卵や肝は、火を入れると美味しく食べることができます。興味がある方は、ぜひ別途で取り置いて召し上がってみてくださいませ。

オコゼの肝は食材としても非常においしい部分です。

食べる場合は肝に血管が入っているので、血管を骨抜きで取り除きます。

ボウルなどに入れて、軽く塩をまぶして少なめに酒をふって置いておくと、肝の臭みが抜けます。30分ほど置いて、茹でてお刺身などに添えると美味しく食べることができます。興味があったら、ぜひやってみてください。

頭は吸い口にすると非常に美味しい出汁が出ます。過去の記事で「オコゼの捌き方・お吸い物の作り方」があるので、捨てずにそちらを参考に食べるとよいかなと思います。

頭を取り除いたら、続いて血合いを掃除します。血合いは包丁で軽く傷を入れて、こそげるようにすると取り除けます。

血合いを掃除したら、一度オコゼの身を水洗いします。水洗いする際はお腹だけ水洗いして、背ビレをはずしたむき出しの身の部分に水が飛ばないようにします。魚の身は、水にあたるとどんどん水分を吸ってシャバシャバになってしまうので、なるべく水にあたる面積が少ないほうがいいでしょう。

三枚おろしの仕方

身をきれいに洗ったら、オコゼを3枚におろしていきます。オコゼの場合、身を3枚におろしてから外側の皮をむく方法と、先に外側のダルダルの皮をむいてから3枚におろす方法があります。順番が前後するだけなので、作業しやすい順番でさばいたらよいと思います。

今回は先に皮をむいてから身をおろします。尻尾の皮まできれいにむけます。

皮も火を通すことで非常に美味しく食べることができるので、皮は捨てずに取って置いて、火を入れてお刺身に添えます。

身のおろし方はごく一般的な3枚おろしです。お腹側から包丁を入れて、続いて背中側から包丁を入れます。

オコゼはコロッとした魚体をしているので、なかなか魚が安定しなくておろしづらいです。左手の押さえる力を加減して、包丁を入れやすい角度を見つけて3枚おろしにしてください。

しっかりと中骨に包丁が入ったら、身を切り離します。骨の隙間が狭くて規則正しく骨が入っているので、さばき出してしまえば、3枚おろし自体はそこまで難しくはないです。

反対側の身も力を入れすぎずに、しっかりと中骨に沿って包丁を入れていけば骨に身を残しすぎることはありません。背中に包丁を入れて、お腹に包丁を入れてさばいていきます。

オコゼは身の弾力が強かったり、皮目や腹膜の部分がダルダルとしていて包丁が引っかかってさばきづらいことがあります。でも3枚おろし自体はそこまで難しくない魚なので、骨をきれいに残すようにさばくとよいでしょう。

中骨もお吸い物などで出汁に使えますが、今回は背ビレをハサミで切っただけなので背ビレの根っこが残っています。背ビレの根っこはしっかりと外してから、中骨を出汁で使います。取り外した背ビレの根っこは、食べないようにしてください。

中骨・腹膜・薄皮の処理方法

中骨と腹膜と薄皮の処理をします。通常の魚は最初に腹膜をかいて、中骨を抜いて外側の皮を引きますが、オコゼの場合は先に中骨を抜いてしまいます。

やってみればわかるんですけれど、オコゼの場合は中骨が腹膜に沿って刺さっていません。まずは中骨を先に骨抜きで抜いてしまいます。腹膜を先に掃除すると、中骨を切断してしまい、中骨が途中で見つからなくなります。

中骨を抜き取ったら、続いて腹膜を包丁でこそげ取ります。柳刃包丁に持ち替えて作業をしたほうが、きれいに腹膜をすき取れます。

腹膜をすき取ったら、身の薄皮をそぎとっていきます。オコゼは頭が大きくて意外と食べる部分は少ない魚なので、なるべく皮目ぎりぎりを攻めて、しっかりと身を残すように皮を引いてください。皮を厚く引くと、食べる部分が少なくなってしまいます。

引いた腹膜と薄皮は、火を通せば美味しく食べられます。これも取っておいて、火を入れてお刺身に添えます。

オコゼは最初に骨を抜いてはいるんですが、結構骨の残りやすい魚です。皮側から身を触ると、皮目ぎりぎりに骨が残っていたりします。細かい骨が出てくるので、皮目からも骨を探すようにしてください。

通常は身側から骨を抜くんですが、手で触って骨が見つかった場合は皮目のほうから骨を引っ張って抜きます。

お刺身にするまでは、ペーパーに包んで冷蔵庫に保存しておきます。

肝・皮の火の入れ方

オコゼの腹膜と薄皮、肝、外側の皮の処理を紹介します。ポイントは火を入れる時間です。

腹膜と薄皮は、20秒くらい火を入れます。火を通す時間が短いと、口の中で噛み切れなくて歯ざわりが悪くなります。火を通す時間が長すぎると、身がボロボロになって全然美味しくなくなってしまいます。

20秒ほど経ったら湯から取り出して氷水に落とします。

肝は大体90秒程度です。中までしっかりと火を入れて食べます。大きさによっては、もう少し短くてもいいと思うんですが、しっかりと火を入れてから食べるようにしてください。火を入れたら氷に取ります。

火を入れたら、腹膜と薄皮と肝は切って食べるだけです。

外側の皮は、だいたい50秒程度火を入れます。火自体はすぐ入るんですが、火を入れる時間が短いと、口の中に残って噛み切れないムニュムニュした食感が非常に不快です。噛んだ時にオコゼのゼラチン質を感じられるぐらいまで火を入れます。

しっかりと火を入れたら、湯から上げて氷水に落とします。しっかり氷に取らないと、表面のゼラチン質が溶けだしてベタベタした手触りになります。

外側の皮だけは、火を入れたあと処理が必要なので紹介します。氷水に落とすと、皮の表面に白く滑りが浮いてきます。湯引きすると魚の滑りが浮いてくるのと一緒です。お湯に落として白く固まった表面の魚の滑りを指で落とします。

続いて皮に残った骨を抜いていきます。オコゼは不思議なんですけど、すごく特殊な構造をしていて、体の表面というか皮目に骨が入っている魚なんです。骨が皮目から出てくるので、しっかりと抜いてから食べるというのがポイントです。骨を残したまま皮を切ってしまうと、せっかくブルブルのゼラチン質の食感の中に硬い骨が残って台無しになってしまいます。

骨の位置自体は比較的規則正しく並んでいて、手で触ると簡単に硬い部分が見つかります。硬い部分を見つけたら骨抜きで引っこ抜きます。作業自体はそんなに難しい作業ではありませんが、骨があるということを知っておいてください。

オコゼの刺身の切り方

本やネットでオコゼは薄造りにするのが正しいという書き方をしている場合が多いですが、身の厚さに関してはオコゼの状態に依ると思います。

生きた状態で市場に届いて、朝締めて半日程度寝かしたオコゼは、身がプルプルしています。そういう鮮度がよいオコゼを厚く切ると、口の中で身が噛みきれません。なので薄く切って薄造りにします。

ですが野締めのオコゼで、ある程度鮮度が落ちていて食感が薄い場合は、少し厚めに切ったほうが美味しく食べられます。その辺の加減は自分で実際にさばいて食べてみて、これぐらいの鮮度ならこの厚さに切ったほうが美味しいというのを見つけるのがよいと思います。手に入れたオコゼと相談しながら、厚さを決めて刺身に引いてください。

最近は熟成もだいぶ浸透してきているので、しっかりと寝かせたほうが美味しいという意見もあると思います。ですが脂を楽しむというよりも、風味や食感を楽しむような白身のさっぱりした魚は、寝かせるよりも締めてから半日程度経ったぐらいが美味しいと感じます。なので僕はあまり寝かせ過ぎずに、しっかりとプリプリとした食感が残った状態で食べたいので、そんなに熟成させることはありません。

確かに熟成させると魚の味は出てくるので、2~3日、1週間などしっかりと寝かせたオコゼを食べる場合は、もう少し身を厚めに切ってもいいと思います。その辺は好みで調整してください。

オコゼの刺身の盛り付け方

お刺身と肝、腹膜、薄皮、外側の皮、薬味を適当な大きさに切って、盛り付けます。ワサビ醤油でも美味しいんですけれど、オコゼはポン酢で食べても美味しいと思います。今回はポン酢用にスダチとネギです。

ネギはどんなネギでもいいと思うんですが、今回は芽ネギという細いネギを添えて食べます。好みで紅葉おろしもよいと思います。お好きな薬味を添えて、オコゼを楽しんでください。

釣りでも触れる機会が多い魚だと思います。何かの参考になりましたら幸いです。

今回のYouTube動画

今回の記事は動画でも紹介しております。ぜひ、ご参照くださいませ。