魚の基本的な捌き方

【毒針のある高級魚】オコゼの捌き方・お吸い物の作り方

毒のある背ビレの下処理から3枚おろし、お吸い物の作り方をご紹介します。胃袋まで食べられるオコゼを美味しく召し上がってください。

オコゼの旬

オコゼは気持ち悪いという方も多いんですけれど、アゴがしゃくれてて目がクリクリしてて、僕は可愛く見えます。

オコゼの旬は春から夏にかけてと言われてはいるんですけれど、市場には1年を通して入荷のある魚です。オコゼは唐揚げにしたりお吸い物にしたり刺身にしても美味しい魚なので、冬はどうしても食べ方の似ているフグにポジションを取られてしまいます。フグがなくなる夏の時期にオコゼが活躍しだすといったイメージです。

水族館にいるオコゼはオニダルマオコゼで、写真のオコゼよりも4周りぐらい大きいお魚です。オニダルマオコゼのほうが毒性は強いと言われています。

オコゼのさばき方

あまり知られていませんが体の表面にかなり汚れがたまる魚なので、最初にきれいに水洗いしてから作業するようにしてください。

オコゼの背びれの外し方

体をきれいに洗ったら、背ビレをはずします。なぜ背ビレを先にはずすのかと言うと、オコゼは背ビレに猛毒があると言われており指に刺さると非常に痛いのです。

ヒレをはずす時はヒレのキワに包丁を両サイドから入れて、ヒレを引き抜きます。注意点としては、皮がダルダルでなかなか包丁が入っていかないので、皮をしっかりと張ってから包丁を入れるようにすることです。危ない作業なので、注意深く作業をするか、もし不安なら最初にヒレをハサミで切ってしまうという方法もあります。

背ビレの両サイドに包丁が入ったら、包丁でヒレを押さえつつオコゼを引っ張ると背ビレがはずれます。厳しいお店だと、バーナーで焼いて毒を処理してから捨てるように言われたりもします。三角コーナーに捨てると誤って手に刺さることがあるので、ヒレは三角コーナーには捨てないほうがいいと思います。

カマ・内蔵の落とし方

背ビレがはずせたら、カマの付け根に1本包丁を入れてカマを断ち切ったら内臓をかき出します。皮がたるんで作業がしづらいと思うので、なるべく皮を引きながら作業を進めてください。カマ骨があるので、カマ骨を半分に割ってしっかりとお腹を開いてから、内臓とエラを取り除きます。

オコゼは胃袋まで食べられる魚ですが、エサを一度に大量に食べてゆっくりと消化する魚です。胃袋の中に小魚が残っていると、締めたあとに小魚から臭みが出ることがありますので、買う時にお腹を触ってみて妙にお腹が膨らんでいるようなオコゼは買わないほうがいいでしょう。

内臓を取り除いたら、エラの付け根に包丁を入れてエラごと内臓をはずします。黄土色をした部分がキモにあたる部分で、茹でるとそのまま美味しく食べることができますので別で取り置いてください。

苦玉にあたる部分は潰すと苦味がうつってしまうので、潰さないように処理してください。

内蔵の中でも1番皮が厚そうなプニプニとした部分が、胃袋にあたる部分です。胃袋が空っぽの魚を選ぶようにすると内臓までしっかりおいしく食べることができます。胃袋に何も入っていないオコゼなら、胃袋を掃除をして湯がいて臭みなく美味しく食べることができます。

内臓を処理したら、血合いをきれいに掃除します。背ビレは開いて身がむき出しになっていますので、なるべく水に当たらないように洗い流してください。もし作業に慣れていなくて水が当たってしまうようであれば、背ビレは包丁で取らずにハサミで切って作業を進めるといいのかなと思います。

ヒレ・カマの落とし方

次にヒレとカマをはずしていきます。ヒレとカマを引っ張りながら骨のキワに包丁を入れます。

頭がはずせたら、頭を処理します。頭の処理は簡単で、カマと顔を切り離し、カマも頭も真ん中で半分に割ります。頭は口から包丁を入れて、半分に割ります。

皮の引き方

このまま大名おろしでおろす方もいますが、身の処理の前に皮が残っていると作業しづらいので、僕の場合は皮を先に手でむいてから作業するようにしています。身に皮がしっかりと貼り付いている部分は、無理やり引っ張ると身に負担がかかるので、くっついているなと感じたら包丁ではずしていくときれいに皮がむけます。

最後はヒレのところで皮がつながっています。思いっきり引っ張れば抜けますがあまり思い切り引っ張りたくはないので、ちょっと手間ですけれど皮を引きながら包丁ではずします。皮はあとで湯がいて食べます。

身の3枚おろしの仕方

ブルブルの皮を引いたら、あとは普通に3枚おろしにするだけです。中骨に沿って身を開いていきます。

オコゼの場合は、背ビレを抜いた際に背中側に6割方包丁が入っているので、背中側はちょっと包丁を入れれば自然と身が離れていきます。反対の身も同様です。

身を処理していきます。オコゼは肋骨が腹膜に沿って入っておらず、身側に食い込んでいます。腹膜をかいたり皮を引く前に、まずはこの腹骨を骨抜きで抜いていきます。結構細長い骨で、身のほうに反り返ったような形で骨が入っています。

骨が抜けたら腹膜をかいて、そのあと残った薄皮を包丁で引いていきます。

オコゼとかコチのような海の底に住んでいる魚は、身の表面に砂が入っている場合があります。砂が入っていたら丁寧に取り除いてください。砂の処理ができたら、下処理完成です。

オコゼのお吸い物の作り方

お吸い物に使うのは、カマの部分、中骨の部分、顔の部分など骨のある部分です。骨からいい出汁が出ますが、臭みが出やすい部位なので軽く塩をして臭みを抜いておきます。10分ほど経つと表面に水気が浮いてくるので、塩を洗い流します。水で洗い流したらサッとお湯に通して氷水に取ります。

カマは血が残っていたり、ちょっと汚れが残っている場合があるので、きれいに掃除してからお湯に落とすようにします。お湯に通す時間は、2秒から5秒ぐらいです。表面の汚れが白く浮いてくるのを目安に湯に通してください。

湯に通す時間が長過ぎるとどんどん出汁がお湯に抜けてしまうので、汚れが落ちるギリギリを狙って湯に通します。氷水にとったら、表面に白く浮いてきたぬめりを洗い流します。この処理がしっかりしていないと、臭みの残ったお吸い物になってしまうので、この作業は丁寧に行なってください。

しっかり汚れを洗い落としましたら、 昆布出汁を火にかけてお酒を加えます。そこにアラを落としていきます。中骨が大きくて鍋に入らなかったら半分に切って入れてください。

今回は身も吸い口に加えるんですけれど、身は最初から加えると火が入りすぎてしまうので、最初はアラだけで出汁をとります。沸いてくると、アクが出てくるのでしっかりとすくい取ってください。

昆布は、地が完全に沸ききる前に取り出したほうがえぐみの少ない吸い口ができますので、しっかりと守ったほうがいいでしょう。

アクをすくいつつ、10分程度しっかりとオコゼの味が スープにしみ出るように出汁を取ります。10分ほど経って充分にスープにオコゼの出汁が出たら、先ほど切った身を出汁に加えます。切り身は大きさにもよるんですけれど、大体3分から5分程度で火が入ると思います。

その間に、塩、薄口醤油で味を整えます。骨が浮いてきてなかなかアクがすくい取れない場合は、一度火を強火にするとアクが真ん中に寄ってくるのでアクを取り除いてきれいな透明のスープに仕上げてください。

春先でちょっと寒いなと感じたら、ショウガの絞り汁を1滴入るかどうかぐらい加えてもいいのかな。ショウガを入れすぎるとオコゼの香りが隠れてしまうので、入れるとしてもショウガの風味を感じるか感じないかギリギリのラインで入れるのが良いのかなと思います。

盛り付けはカマが映えるように盛り付けると、見栄えが良くてきれいなんじゃないかな。季節の野菜を別で温めておいて一緒に盛り付けるとなかなか美味しそうなお吸い物ができるのかなと思います。今回はタケノコを添えました。青物があるとよりきれいに見えます。

今回のYouTube動画

今回の記事は、動画でも紹介しております。ぜひ、ご参照くださいませ。