魚の基本的な捌き方

【板前が教える】カンパチのさばき方・刺身【すき引き】

夏が旬の天然のカンパチをお刺身にします。
すき引きなど、カンパチのさばき方もご紹介します。

カンパチとは?

居酒屋さんや料理屋さんで見かけることの多い魚ですが、出回るカンパチは養殖の場合が多いです。
ブリやカンパチなどの魚体が大きくなりやすくて人気の魚は養殖が盛んなので、値段も安い養殖もののほうが流通は多くなるのです。

カンパチとブリの違い

カンパチは見た目がブリと非常に似ていますが、黄色の入り方はカンパチのほうが茶色みがかっていて、ブリは青みがかっています。
見慣れると、簡単に見分けがつくようになります。

カンパチの旬・産地

天然ものであればブリは冬に脂が乗るのに対して、カンパチは夏場から秋にかけてが旬の魚です。

産地に関しては、ブリは北陸など寒い地域で水揚げが多いのに対して、カンパチは九州や伊豆諸島など暖かい地域で多く水揚げされる魚です。
ブリは日本海側でも太平洋側でも水揚げがありますが、カンパチは太平洋側の水揚げが多く感じます。

カンパチの捌き方

ウロコの取り方・すき引き

カンパチのウロコは金ダワシで取る場合も多いのですが、基本的にすき引きで取ったほうが丁寧な仕事かと思います。

まずは邪魔になる魚のヒレをハサミで切り取っていきます。
ヒレを取ったら、ウロコをすき引きにしていきます。
カンパチなどの魚体に丸みがある魚は、頭を持ち上げてウロコをすき取りやすい角度にしてから、すき引きにしていきます。

すき引きは、やって覚えるしかないんですが、なるべく刃を上下に大きく動かしながらゆっくり刃をスライドさせていきます。横にスライドする際に、下の方向に力が入ると身を削ってしまいます。

すき引きのコツ

コツは、右手は上下に動かす動き以外に余計な力を加えず、刃のスライドでウロコをすき取っていくイメージで作業をすると、身を削らずきれいにすき引きができます。

すき引きの向き

人によっては、頭を右に向けてすき引きする方もいますが、特に決まりはありません。すき引きしやすい向きで良いと思います。
最初から最後まで同じ向きですき引きする方もいますし、途中で身を反転させて作業する方もいます。
比較的、自由度の高い仕事かなと思います。

頭の落とし方・内臓の下処理

続いて、頭を落としていきます。
頭は腹ビレの位置に1本切り込みを入れて、胸ビレの位置でカマごと頭を落とします。

カンパチは大きさがあるので骨は硬いんですけれど、骨の継ぎ目に包丁が入れば力を入れずとも中骨を断ち切ることができます。
包丁を入れる場所を意識しながら、頭を落としてみてください。

ヘソから包丁を入れてお腹を割いて、そのまま内臓ごと引き抜きます。
血合いに包丁を入れて、ブラシなどできれいに落として水洗いします。

カンパチの3枚おろし

血合いを洗い流したら、身をおろしていきます。
カンパチの場合は、いたって普通の3枚おろしです。お腹側から包丁を入れて中骨のラインまで包丁が届いたら背中側から包丁を入れます。

カンパチはThe魚という骨の構造をしていますので、おろすのが難しい魚ではないかな。基本に忠実におろせば、きれいにおろせます。

お腹側と背中側に包丁が入ったら、最後に中骨に繋がった身を包丁ではずしていきます。

3枚おろしの際に、中骨周辺に身が残ってしまうことがあります。原因は背中側から包丁を入れた際に、中骨までしか包丁が入っていないためです。
中骨に包丁が届いたら、ちょっとだけ中骨のラインをなぞるように身をはずすと、身が残らずきれいにおろせます。

カンパチの身のさばき方

肋骨・血合い骨・血合いの取り方

おろした身から肋骨をすき取ります。
お刺身にするので、腹膜も一緒にすき取ってしまいます。

シマアジやブリは肋骨が身の奥に食い込んでいることが多いのですが、カンパチは意外と腹膜付近に骨がある場合が多いので、深く身を削らずとも肋骨が取れます。

肋骨をすき取ったら、血合いのラインで身を半分に渡します。
アジは血合い骨を骨抜きで抜きますが、カンパチやブリのような大型魚の血合い骨は骨抜きで抜きません。半分に渡した際に、血合いと一緒に包丁で取り除きます。

血合いの部分は食べられなくはないんですけれど、スジっぽかったり生臭さがあったりするので、血合いは血合い骨と一緒に削ってしまいます。

刺身の切り方

一般的には最初に皮を引いてから刺身に切りつける場合が多いんですけれど、皮を引くとどうしても血合いが空気に触れて酸化していきます。
なので一度に使い切らない場合は、包丁が皮に達した辺りで包丁をスライドさせて刺身に引いていきます。こうすると、使うぶんだけ身を切り出すことが可能です。

カンパチの保存方法

一度に食べきらない場合は、食べるぶんだけ切りつけたあと、残った身をペーパーに包んで、皮付きのままラップかビニール袋に入れて、0℃に近い状態で保存するとよいでしょう。2~3日は充分お刺身で食べられます。

皮付きで保存する場合、ウロコが残っているとどうしても生臭さが出やすくなります。そういった意味も込めて、すき引きは覚えておいたほうがいいのかなと思います。
一度に食べきるなら、ウロコの取り方はあまり関係ありませんが、ちょっとずつ使う場合はすき引きがいいと思います。

盛り付け方

お刺身は偶数より奇数のほうが盛り付けた際にきれい見えやすいので、刺身の枚数も意識しながら切りつけてみてください。

添え物としては、ワサビは当然合います。
カンパチやブリやシマアジは青魚に近いような独特の風味があるので、ワサビのほかに柑橘を添えても、非常に美味しく食べられます。
お好みで薬味を添えてお召し上がりください。

今回のYouTube動画

今回の記事は、動画でも紹介しております。ぜひ、ご参照くださいませ。