魚の基本的な捌き方

【プロ直伝】金目鯛の煮付け・刺身の作り方【兜割りのコツ】

金目鯛の2種類のお刺身と、カブトの煮付けをご紹介します。

豊洲市場の魚の特徴

市場の魚は安いんじゃないかと思われるかもしれませんが、豊洲は日本中から良い魚が集まる市場なので、一般のスーパーの魚よりも割高です。でも、割高である分、品質は良いものが揃っています。

スーパーで買っているお魚と味が全然違うことがありますが、調理技術もさることながら、仕入れの段階で魚の品質が違う場合が、圧倒的に多いと思います。

金目鯛の捌き方

鱗取り

まずはヒレを落として鱗を引きます。

鱗を引く時は、鱗取りを上下に動かしながら横にスライドさせていくと鱗が飛び散りません。横にバリバリとスライドさせたくなってしまいますが、横に動かすと鱗が飛び散ります。
背ビレのキワや顔の頬の位置は鱗が残りやすいので、丁寧に作業を進めてください。

全体に鱗が取れたら包丁で一度身をこそげて、鱗の取り残しがないか確認します。

頭の落とし方

頭を煮付けに使うので、頭に身が多く残るようにします。お刺身の場合よりも背ビレ側で頭を落とします。

内臓処理

頭を落としたら、ヘソから包丁を入れてお腹を開いて内臓をかき出します。内臓をかき出したら、尻尾を落として、血合いに包丁を入れて腹膜や血合いをきれいに洗い流します。

金目鯛の頭の割り方

脳天側の割り方

頭は半分に割って煮付けにします。
頭を割る際は、脳天側を手前に向けて、口を開いて口から包丁を入れます。まずは脳天側を半分に割ります。

力のいる作業ですので、金目鯛を押さえている左手を切らないように注意してください。

頭を割るコツ

頭を割る際のコツは、包丁の曲がる角度を意識しながら、包丁がしっかりと頭の真ん中に入るように力を加えていくことです。

出刃包丁は、片側は平で反対側は角度が付いているので、自然に切るとまっすぐ切ったつもりでも包丁が曲がっていくのです。

曲がらないように意識すると、ちょうど半分に頭を割ることができます。

エラのはずし方

脳天側を半分に割ったら、エラをはずしていきます。

エラは、目の付近の2か所と下顎の1か所でつながっていますので、エラのつなぎ目に包丁を入れると簡単にはずせます。

エラをはずす作業も力が入り、包丁と手が近いので手を切らないように気をつけてください。

下顎の割り方

脳天側を割りエラをはずしたら、大き過ぎるので下顎で半分に割ります。
内側は汚れていますので、水洗いします。

頭の保存方法

半分に割った頭を水洗いをしたら、ペーパーに包んでしっかりと水気を拭き取り、一度冷蔵庫で保存します。

身の下処理

身の処理のポイントは、二つあります。
一つは、金目鯛はお腹に薄い黒い膜が付いていてニオイが出やすいので、黒い膜はしっかりと洗い流します。
もう一つは、血をしっかり抜くことです。

血合いをきれいに取っても、お腹の奥や尻尾の先から血が滲んでくることがあります。魚の構造の問題で、中骨に沿って太い血管が通っているため、この血管の中に残った血が尻尾やお腹の奥から滲んでくるのです。

水洗いの際は、水圧を高くしてお腹の奥を狙って水を当てると、尻尾から自然と血が抜けていきます。

金目鯛の水分の抜き方

水洗い後、すぐにさばいてお刺身にしてもよいのですが、金目鯛はしっかりと水気を抜いてから食べると、味が凝縮します。

水分の抜き方は、お腹にペーパーを詰めて、身をペーパーで包みラップをして、冷蔵庫で6時間から12時間程度保存します。

家庭用の冷蔵庫は温度が高くて魚の臭みが出やすいので、ビニール袋に氷を入れて上と下に氷をあてながら保存すると、ニオイの出にくい美味しいお刺身が食べられます。

三枚おろし

水分がしっかり抜けたら、一般的な三枚おろしにします。

腹骨に包丁を入れて、中骨に沿って包丁をスライドさせていきます。真ん中までしっかりと包丁が入ったら、背中側に包丁を入れていきます。

金目鯛をおろす時のポイント

背中側に包丁を入れる時、まな板側に力が入りますが、力を入れすぎると背ビレの骨の下に包丁が潜ってしまう場合があります。

背ビレ近くの中骨から伸びる骨が短くていびつなので、包丁がもぐりやすいのです。注意しながらさばいてください。

金目鯛の保存方法

一度にすべての身を食べない場合は、身を再びペーパーに包んで冷蔵庫で氷をあてながら保存します。1日~2日は、お刺身として食べられます。
ニオイが出るとお刺身では食べられませんので、加熱調理に回してください。

金目鯛のお刺身

肋骨と腹膜のはずし方

お刺身と煮付けを作るので、煮付けにする尻尾側を切り落とします。
尻尾側の身は、頭側の身に比べて脂が少なく筋も多いので、刺身にはあまり適しません。

尻尾を切り落とした身の肋骨をはずします。肋骨はなるべく薄く、お腹の身を削りすぎないようにはずしてください。

肋骨をはずしたら、そのまま腹膜もはずします。

金目鯛のエンガワ

白い筋っぽい部分は金目鯛のエンガワです。腹ビレの付け根にある筋肉なので筋っぽくもあるんですけれど、脂の乗った部分なのでお刺身にします。

血合い骨のはずし方

血合い骨は、お腹と背中の身の境目に入っている場合が多いのですが、金目鯛の場合はちょっと背中側にあります(青線)。

血合い骨を抜き取ったら、身を背中側とお腹側で半分に渡します。
強めの白いスジが断面に出てくるので、なるべく薄くそぎとります。

皮の引き方

背中側の身は炙り、お腹側の身は皮を引いてお刺身にします。

皮の引き方は、ちょっとだけ端をめくってきっかけを作って、包丁をまな板に押し付けるようにしながらスライドさせます。

金目鯛は皮目に脂の乗りやすい魚なので、銀皮が残りやすい魚種です。

ちょっと失敗気味ですけど、上の写真のように銀が残れば良いです。

刺身の切り方・炙り方

背中側の身

背中は炙りのお刺身にするので、皮付きのまま切ります。皮目を上にして、包丁をちょっとだけ左に傾けて切るようにします。
そうすると、刺身一片一片の角がきれいに際立ち、形の良い刺身になります。

腹側の身

腹側は、皮目を下にして、そぐように切ります。切ったら半分に折りたたみながら盛り付けていくと、見栄えの良いお刺身ができます。

そぎ造りにする際のポイントは、最後に包丁を立てながら身を切り落とすことです。そうすると、刺身に角ができて、見栄えの良いメリハリのあるお刺身になります。

詳しくは、過去の記事をご参照くださいませ。
刺身の盛り付け方!綺麗に見せるための切り方・盛り付けのコツ

背中側は、バーナーで皮目にサッと焼き色がつく程度に炙ります。
炙る際はバットの表面も熱くなるので、火傷に気をつけて取り扱ってください。

金目鯛のお刺身盛り付け

盛り付けの鉄則は奥は高く手前は低くなので、高さを意識しながら盛り付けると、そこそこな見た目になります。

薬味は、ワサビは当然必要で、スダチなどの柑橘類も炙りと非常に相性が良いです。あれば、柑橘類も添えたほうが美味しいです。

また、お醤油はもちろん合いますし、脂気のある魚の炙りはお塩も合います。

金目鯛の煮付け

金目鯛の下処理

カブトと尻尾の身を使って、煮付けを作っていきます。

全体に塩を振って、臭みを抜いていきます。カブトは臭みの出やすい部分なので、若干、多めに塩を振るようにしてください。

塩を振って10分ほど置いて、身の水分と一緒に臭みを抜いていきます。
表面に水分が浮いてきたら、一度、水で塩を洗い流します。

塩をひとつまみ加えて沸騰した湯に、金目鯛を5秒ほどサッと表面に火を入れます。

火を入れたら、すぐ氷水にとり、表面に鱗などが残っていないか確認します。カブトやヒレのキワ、カマの付け根など、入り組んだところは鱗が残りますので、鱗が残っていたらこすり落としてください。

内側の血合いの部分も、きれいに手で掃除をして、ザルにあげます。

ゴボウの下処理

添え物としてゴボウを一緒に煮付けるので、下処理をします。

ゴボウは適当な大きさに切って、サッと水にさらします。
ゴボウの皮や汚れが気になるようなら、包丁の背でこそげると柔らかい皮がむけます。

煮付け方

お酒と水を1対1の割合で、金目鯛の表面が浸かるか浸からないかくらいの量を用意します。

最初にゴボウを加えて火にかけ、煮汁が沸騰したら軽くアクをすくい、金目鯛を加えます。

金目鯛とゴボウが入った鍋に、お砂糖とみりんをひと回し程度加えて、アルミ箔で落しブタをします。

5分程度、強火の中火で火を入れます。

アルミ箔をかぶせると、煮汁の泡がブクブクとアルミの下で回ることで、金目鯛の表面にもしっかりと味が入ります。アルミ箔が軽く浮く程度が火加減の目安です。
途中でこまめにアクをすくい取ります。

5分経ったら、お醤油を少し加えます。この時に味を決める必要はなく、味は2回か3回に分けて決めていきます。お醤油は、最初は薄味に仕上げるつもりで、少しだけ加えてください。

再びアルミ箔でフタをして、再び5分程度火を入れます。

5分経つと目が白濁する程度に火が入ります。そうしたら、強火で煮詰めて、塩気が足りなければ醤油を加えて、しっかりと味を決めます。

味を決めたら、煮汁を上から回しかけながら強火で仕上げていきます。

少しお鍋を傾けて煮汁をすくい、身に回しかけます。煮詰める時間は大体3分程度で、金目鯛の表面に照りが出始めたら完成です。

あとは盛り付けて食べるだけです。

盛り付け方

盛り付けの際は、なるべく金目鯛の形が崩れないように丁寧に箸を使って盛り付けましょう。尻尾側の身は手前に添え、ゴボウは立てかけるように盛り付ければ良いと思います。

これだけでも充分美味しいですが、お好みで柚子などの柑橘類を添えると美味しく食べられます。

黄色い柚子は彩りがとても良いので、細かく切って添えると、金目鯛の赤とゴボウの茶色と柚子の黄色で、見た目が華やかになります。

柚子を添えたら、余った煮汁を軽く回しかけて、金目鯛の煮付けの完成です。

今回のYouTube動画

今回の記事は、動画でも紹介しております。ぜひ、ご参照くださいませ。